結石について
- 結石の治療方法には、どのようなものがありますか?
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結石の治療には、大きく保存的治療(主に自然排石を促す)と外科的治療に分けられます。直径5 mm以下の結石であれば、自然排石も十分期待できるため保存的治療をまず選択します。また、尿酸を主成分とするような結石は、尿のアルカリ化を図ることで、溶解することも可能です。一方、自然排石が期待できないような大きな結石に対しては、より積極的な治療法が選択されます。
体外衝撃波結石破砕術(ESWL: Extracorporeal Shock Wave Lithotripsyの略)は、身体の外から衝撃波を結石に当て、破砕された結石片はおしっことともに体外に排出されるという治療方法です。この方法は、上部尿路結石に対する標準的治療法ひとつとしてひろく行われています。利点としましては、無麻酔での治療が可能であり、外来にて処置可能である点です。欠点として、結石の存在する場所や大きさによって、破砕効果が劣る場合があり、一度に砕石が出来ない場合、複数回の治療を要するため結果として治癒までの時間が掛かる点です。そのため、結石の大きさや場所によっては、後述する他の内視鏡治療と組み合わせる必要性もあります。
経皮的腎尿管結石摘出術(PNL: Percutaneous nephrolithotripsyの略)は、背中のほうから、腎臓に約1 cmの穴を開けその穴より腎盂(じんう)内に内視鏡を挿入し直接結石を確認しながら砕石し結石を除去する方法です。利点として、大きな結石や硬い結石に対してもレーザーや超音波を用いて砕石可能であり、しかも破砕した結石片はそのまま体外に摘出することが可能です。欠点として、麻酔をかけなければならず、入院が必要な点、また体表面より腎臓に小さな穴を開けるという点でやや侵襲的であること、術者の技量によってその治療効果が左右されることなどが挙げられます。
経尿道的尿管砕石術(TUL: transurethral ureterolithotripsyの略)は、経尿道的に内視鏡を尿管内に挿入し、結石を直視下にレーザーなどを用いて砕石を行う方法です。利点として、体外衝撃波結石破砕術で砕石が不十分な尿管結石や、尿管狭窄を合併しているような症例に対しても、同時に治療が出来ることや、身体に傷をつけることなく治療が可能であるという点です。欠点としましては、麻酔をかける必要があるため入院による治療が必要である点や、治療効果は術者の技量によって左右される点などが挙げられます。
いずれにしても、経験豊富な専門医との相談により治療方針は決定されるべきであり、それぞれの治療方法のメリットやデメリットを十分説明を受けたのち納得いく治療方法を選びましょう。当院では、結石に対する内視鏡治療(PNL&TUL)を専門に行っており、最高レベルの各種内視鏡およびホルミウムヤグレーザー(ルミナス社製バーサパルスセレクト)と専用手術テーブル(Siemens社製 UROSKOP omunia)を用いて短期入院による治療(1~4泊)を積極的に行っています。また、体外衝撃波結石破砕術の必要な患者様には、最寄の提携病院での治療をご紹介いたしております。
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