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- 2025/11/27学会情報
- 当院の透析室における運動療法とサルコペニアの関連についての論文が掲載されました。
当院では、透析中の運動療法の充実を目指し、帝京大学福岡医療技術学部 理学療法学科の上瀧健二先生のグループと共同で、透析患者さんのサルコペニア(筋肉の減少・筋力低下)に関する研究を行いました。この研究内容については2025年11月に
Journal of Asian Rehabilitation Science に原著論文として掲載されました。
研究では、当院の透析患者さん24名と一般の高齢外来患者さん46名を比較し、筋肉量、握力、歩行速度、血液検査、日常生活動作(外出・買い物など)について詳しく調査しました。
その結果、透析患者さんでは2人に1人がサルコペニアであり、一般の高齢者より高い割合でした。特に、貧血の指標である赤血球(RBC)が少ないほどサルコペニアになりやすいことが分かり、透析患者さんでは“貧血”が筋肉減少に深く関わることが明らかになりました。
さらに、外出や買い物などの社会的な活動が少ない傾向があり、活動量の低下も影響していることが示唆されました。一方、透析中にエアロバイクなどの運動を取り入れている方はサルコペニアが少なく、運動療法の有効性も確認されました。
この研究は、透析患者さんの健康維持のためには、貧血管理、運動療法、社会参加の促進が重要であることを示しています。当院では今後も、帝京大学と連携しながら、患者さんの生活の質向上につながる取り組みを進めてまいります。
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